市民ランナーがマラソンで記録を出すのに効果がある練習はインターバル。しかし、記録に拘らずにフルマラソンを完走するために一番効果があるのは、LSD(Long Slow Distance)です。自分が一番苦手な練習で、慣れるまで時間がかかりました。LSDのメリットと練習方法、慣れるコツについて説明します。
LSD(Long Slow Distance)とは何か
LSDは、Long(長く)・Slow(ゆっくり)・Distance(距離)を意識して走る練習です。ジョギングがキロ6kmペースならLSDはキロ8km程度で走ります。遅すぎるペースですが、長く距離を走ることにより多くのメリットを得ることができます。慣れるまでは大変ですが、LSDを定期的に練習するとフルマラソンの後半に耐えられる身体になります。
LSDを練習するメリット
LSDを練習するメリットについて説明します。ちなみにLSDはインターバルなどのスピード練習をするようになってからの方が効果があります。
長い時間、距離を走る脚ができる
LSDの最大のメリットは長い時間、距離を走る足ができること。10kmの距離を40分以内で走れても、フルマラソンを完走できる足ができるわけではありません。フルマラソンを完走するには3時間以上ゆっくり走るのが最も効果的な練習です。
速筋ではなく遅筋が鍛えられる
インターバルやビルドアップなどのスピード練習で鍛えられるのは速筋。LSDで鍛えられるのは遅筋。遅筋は長い時間運動する際に活躍する筋肉。フルマラソンなどの有酸素運動時に鍛えておきたいのは速筋よりも遅筋。LSDは遅筋を効率良く鍛えられます。
脂肪が燃焼されダイエットになる
LSDは有酸素運動です。長い時間・距離走っているので、カロリーの消費も半端ではありません。多くの脂肪が燃焼されるので、ダイエットになります。体重の減少はマラソンのタイムに影響します。1km痩せるだけでも違います。
ハーフ、フルマラソンへの自信がつく
ゆっくりでも2時間走り続けることができれば、ハーフマラソンを完走できる足が出来上がります。4時間走り続けることができれば、フルマラソンを完走できる足が出来上がります。LSDは大会を完走できる自信がつく練習です。
40~60分なら疲労回復効果もある
LSDは40~60分程度なら疲労回復効果もあります。インターバル練習をした翌日などLSDの走りで40分くらい走れば、すっきり身体が軽くなります。上手に疲労回復できるようになれば、練習の幅が広がります。
LSD練習の方法とコツ
LSDはランニング、ジョギングを何年続けていても、苦手な人が多く、慣れがとコツが必要です。自分も苦手で慣れるのには本当に苦労しました。ゆっくり走るのは難しいのです。練習方法とコツについて説明します。
歩幅は小さく、ゆっくり走る
歩幅が大きいと自然と速くなってしまうので、意識して小さくしましょう。歩幅が小さいと下を向いて走ってしまいがちですので、視線は前に。また走る時に姿勢に注意することが大切です。
自分が思っているよりゆっくり
LSDの速度はキロ7~9km。普段キロ5kmで走っている人はキロ7kmは苦痛に感じる速度。それでも我慢して走りましょう。
川内優輝選手はフルマラソンの翌日はキロ8kmで走って疲労回復するそうです。一流アスリートや好記録を出す市民ランナーほど遅く走る技術に長けています。
ペットボトルや塩飴を持っていく
2時間以上走るのですから水分補給は必須です。冬でもペットボトルを持って、喉が渇く前に水分補給しましょう。塩飴を持っていって走りながらなめるのもオススメです。
フルマラソンやウルトラマラソンはエイドでエネルギー補給します。3時間以上走るなら、途中コンビニでおにぎりやパンを買って走りながら食べる練習をしておくのもいいです。
距離ではなく時間を重視する
LSDは基本的に距離ではなく時間を重視して練習しましょう。同じ20kmでも1時間半より、2時間半で走った方が遅筋を鍛えるのに効果的です。
飽きないように音楽やラジオを活用
LSDが難しいのはゆっくり走ることに慣れていないと、すぐに飽きてしまうからです。飽きないように自分の好きな音楽やラジオを聴きながらLSDをしましょう。
オススメはラジオ。音楽よりもパーソナリティーの会話を楽しむことができるので、飽きることが少ないです。また、音楽はスピードを出したくなる曲もあります。ラジオはゆっくり走るのに向いています。
最初60分から徐々に3時間以上を目標に
LSDを練習するようになれば、フルマラソンは楽に完走できます。スタミナが付くので、普段の暮らしでも疲れにくくなります。遅く走るのは慣れが必要なので、最初60分LSDできるようになりましょう。そして徐々に3時間以上を目標にするのです。